07月26日 16時42分 担当/東京校校長 剣持春夫
【香りについて】
香りでなにをきくのか?
ワインの香りは大きな楽しみでもある。良いワインは香りを嗅いだ瞬間に判断できる。香りを捕らえる事は以外に難しいものである。色、香り、味の中の表現で一番難しいのは香りの表現であろう。
≪赤ワイン編≫
1.産地の寒暖からの香りの分類
●冷涼な産地の赤
黒ぶどうの多くは温暖な気候を好む。涼しい産地の未熟な黒ぶどうのタンニンはえぐく、香りは
青く、飲めたものではない。
良いワインを造るためには収量の制限など、よほどの努力をしなければならない。
(コメント例)
イチゴ、さくらんぼ、紅玉、ラズベリー、クランベリー、すもも、スミレ、ミント、白胡椒、
緑粒胡椒
●温暖な産地の赤
温暖な産地の赤はスパイシーな香りや、コンフィにしたような重めの果実の香りがある。
たとえばブラックチェリージャムのような甘い要素がナパ・ヴァレー産には顕著である。
(コメント例)
カシス、ブラックチェリ、ブラックベリー、プルーン、カシスジャム、プラムジャム、
ハチミツ、ダークチョコレート、ローストしたココナツ、黒粒胡椒、クローヴ、
スターアニス
2.品種による香りの表現
●Cabernet Sauvignon
この品種はカベルネ・ソーヴィニョンとソーヴィニョン・ブランがボルドーで自然交配して
できた品種だと言われている。
それでソーヴィニョン的なカシス的な要素がある。この様に適量な清涼感があるからワインの
味がパワフルでも心地よいバランスで飲めるのである。
全体的に冷たさや固さを感じさせる香りで、暗く静かな印象である。
(コメント例)
カシス、ブラックベリー、ジャム、プラム、スミレ、ミント、シダ、
ユーカリ(オーストラリア)、松の葉、ローズマリー、鉛筆の芯、
ステンレスたわし、インク、葉巻、スギの木、黒胡椒、丁子
●Merlot
メルロ単一品種ですばらしいのはペトリュース、ルパン、マッセートのようにむしろ極めて
例外で、超効果である。
よいメルロのワインは豊満で魅惑的な香りで、明朗快活、外交的な性格でいながら、複雑で上品
である。多くのメルロは土ぽかったり、青さがあったり難しい。
(コメント例)
プルーン、ブラックベリー、干しアンズ、スミレ、あずき、ドライフルーツ入り
バウンドケーキ、クローヴ、リコルス、トリュフ、鉛筆の芯、鉄クギ
●Cabernet Franc
カベルネ・フラン単独のワインとしてはロワールぐらいしか一般的ではない。
特に安価なものは冷涼な産地ゆえの未熟な香りの要素が強く、ピーマンやパセリのようで一部の
人しか好まれない。
しかし熟した時は本当にすばらしく上品、可憐ですっきりと伸びやかでスミレとさくらんぼの
香りが中心である。
味もやさしく、タンニンと酸にまるみがあり、香りの印象と同じである。
(コメント例)
ラズベリー、さくらんぼ、カラント、チェリーリキュール、すみれ、ピーマン、
ミント、ターツアイ、赤唐辛子、赤い花、タバコ
●Pinot Noir
多くの香りのニュアンスがあるが、突出するということが無く、細かい要素が複雑に入り組んで
いる印象である。
もし香りが単純であれば、良い造りではない場合が多い。除梗しないで醸造した伝統的なスタイ
ルは若いうちは、時に青く臭く、嫌う人も多いが、熟成するとシナモンのような複雑なスパイシ
ーさが現れ、すばらしくなる。
(コメント例)
ラズベリー、イチゴ、コケモモ(ミルティーユ)、さくらんぼ、ソルダム、
デーツ、スミレ、シナモン、パンデピス、タバコ、トリュフ、ダージリン、
干し肉
●Syrah
性格が明快で自己主張が強い品種。原産地である北ローヌ以外でも多く成功している。
強いラベンダー、強い黒胡椒などのスパイシー香があり比較的分かりやすい。
しかしながらエルミタージュやコート・ロティなどの最高の畑では他の要素が多いため、それ
ほど明確には出てこないので要注意でもある。
(コメント例)
カシス、ブルーベリー、ブラックベリー、スミレ、ユーカリ(オーストラリア)、
ラベンダー、ゆりの花、なめし革、ベーコン、牛もも肉、黒オリーブ、
プーアル茶、クローヴ、黒粒コショウ、ビターチョコレート
●Grenache
南ローヌを代表する品種。色の印象と同じく温和で寛大とシラーとは正反対で、ふんわりと
穏やかである。
ワインに凝縮感がないとアルコールが際立ってしまう事がある。
単一では後味に甘味がのこる場合が多い。
一般的には早熟成で色の酸化が早めである。
(コメント例)
ブラックチェリー、ブラックベリー、ハチミツ、なめし革、黒オリーブ、土、
エスプレソコーヒー、クローヴ、スターアニス、パンデピス
●Nebbiolo
バローロの品種であるこの品種の香りはタールと黒バラの香りが典型的である。
個性的であるが香りは基本的には繊細で自己主張も控えめである。熟成するとトリュフや
なめし革の香りが多くとらえられる。
(コメント例)
白マッシュルーム、鉄観音茶、さくらんぼ、干しイチジク、
ばらのドライフラワー、しおれたばら、タール、トリュフ、なめし革、
ドライハーブ、葉巻
●Sangiovese
キャンティ、ブルネロ・ディ・モンタルチーノを代表とする品種で生産地、テロワールによって
さまざまな香りを演出するので難しさもある。
若いうちの代表的な標高の高い痩せた土壌のキャンティにはスミレ、アーモンド、タバコの
香りがよく見られ、海岸沿いの重い土壌では泥臭い香りになる。
(コメント例)
ブラックチェりー、ブルーベリー、スミレ、プチトマト、ローズマリー、ゴボウ、
なめし革、アーモンド、ダージリン、鉄クギ、タバコ、ローズマリー
★★★ 香りの表現のポイント
<赤ワイン>
1.香りに豊かさがあるのか?
2.若いアロマに満ちているか?
3.濃縮感があるか?
ほとんどの赤ワインがジャムのような濃縮感が定番のコメント
4.フルーティーさがあるか?
5.具体的にどんなフルーツの香りがあるか?
カシス、ブラックチェリー正解率が高い定番
品種によってはイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー
6.具体的にどんな花の香りがあるのか?
赤ワインの場合スミレの花が多いコメント
7.ハーブの香りはほとんどのワインに多少なりとも感じられる定番のコメント
8.ミネラル香もほとんどの白ワインに感じられる定番のコメント
白墨、チョーク、石灰質のニュアンスなど
9.森林の香りも植物系の爽やかさと土のニュアンスを含んだ総合的な香りで定番ある
10.その他樽熟成からバニラ様の香りがあれば、樽のニュアンスが感じられるになる
★★★ 香りのヴォキャブラリーを増やす方法
1.まず表現単語の意味、見た事も聞いた事も無いような果実、花、ハーブなどの姿、形、色などを
理解する
2.次に表現用語の意味を理解したら具体的に鼻で香りを嗅ぎ脳に覚えさせる
3.それには春夏秋冬の花が多く植えられている公園に行って花の名前と香りを嗅ぎそれを覚える
4.花を含んだ植物に興味を持つ事
5.ルーツの名前と香りを一致させる訓練をする
6.たまには山、森林に出かけ春夏秋冬の季節の移り変わりを体感する
山は植物系、土の香りの宝庫であると思います。湿った土の香り、腐葉土、きのこ、シダの葉、
スーボアなど
7.スパイス系はスパイスを多く販売している店でワインに関係するスパイスを購入しその繊細な
違いを覚える
8.ワイン雑誌に出てくるような自分が初めて聞くような表現をメモしておいて、増やしていく
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