06月30日 14時42分 担当/東京校校長 剣持春夫
【香りについて】
香りでなにをきくのか?
ワインの香りは大きな楽しみでもある。良いワインは香りを嗅いだ瞬間に判断できる。香りを捕らえる事は以外に難しいものである。色、香り、味の中の表現で一番難しいのは香りの表現であろう。
≪白ワイン編≫
1.産地の寒暖からの香りの分類
●冷涼な産地の白
まず清涼感の有る香りがする。同じハーブでも暑い場所に生える、むせかえるような強い香りでは
なくセルフィーユ的に清楚な香りである。
(コメント例)
青リンゴ、梨、白桃、メロン、白い花、菩提樹の花、山椒の葉、新鮮なハーブ、白ネギ、
白墨、火打石(線香花火)、白粒胡椒
●温暖な産地の白
これらの産地からできる白ワインにはトロピカルフルーツの香りが多く出てくる。
(コメント例)
マンゴ、パイナップル、夕張メロン、干しアンズ、パパイヤ、ビワ、アンズ、ピンクレープ
フルーツ、黄桃の缶詰め、オレンジジャム、ピーカンナッツ
2.品種による香りの表現
●Chadonnay
品種そのものの香りは相当弱く、樽発酵、樽熟成によりナッツやクリーム、バニラの香りが感じ
られるようになるのが特徴。
現実には樽熟で造られる事が多く、それがそのまま香りの特徴となっている。
生まれ育った環境を明快に反映し、冷涼地域ではハーブティーやグレープフルーツ的、温暖な
気候ではトロピカルフルーツ的である。
(コメント例)
A)冷涼地域
青リンゴ、柑橘フルーツ、レモンの皮、白い花、白墨、火打石、バニラ、
カシューナッツ
B)温暖地域
洋ナシ、バナナ、パイナップル、メロン、黄色い花、菩提樹、カシューナッツ、
バタースカッチ、バニラ
●Sauvignon Blanc
原産地はボルドー。他ではロワールが有名な産地。世界各地で優れたワインが生産され、特に
ニュージーランドでは評価の高いワインが造られている。
冷涼な産地では青みを帯びたハーブ香や酸味のフレッシュなレモンや青リンゴを思わせる香りを
持つ。
温暖な地域では黄色いリンゴや洋ナシなど甘酸っぱいフルーツ香と優しいハーブの香りへ。
さらに温暖な地域ではトロピカルフルーツや麝香の香りが際立つ。
(コメント例)
A)冷涼地域
レモン、青リンゴ、グレープフルーツ、グースベリー、ライム、青みを持つハーブの
香り、カシスの葉、セルフィーユ、芝生、アスパラガス、白ねぎ、白墨
B)温暖地域
黄色リンゴ、洋ナシ、パシオンフルーツ、トロピカルフルーツ、セージ、フェンネル、
黄キウイ、オニオン、麝香
●Riesling
原産地はドイツ。ドイツやアルザスをはじめ、世界各国で上質なワインが生まれている。
モーゼルのように寒い場所でも、ナパ・ヴァレーのように暖かい場所でも植えられ、辛口から
甘口まであるため、ワインの香りもそれを反映して多種多様である。
しかしふっくらとしたピーチ的な香りを中心に複雑なミネラルの香りが脇を締めるめるような
印象がある。また酸味がシャープでエレガントな印象が特徴。
(コメント例)
A)冷涼地域
花の印象が強い、菩提樹、西洋さんざし、白いバラ、青リンゴ、柑橘フーツ、カリン、
梨、レモンの皮、スターフルーツ、蜂蜜、白墨、寒天、白桃、ココナッツ、
ペトロール
●Gewürztraminer
原産地はドイツでアルザスにおいては優良なワインが生まれている。
この強い個性を持つ品種の香りは、一貫してバラとライチが中心だが、実は本当にすばらしい
土地以外では魅力的にはならない。それには石灰質土壌を選ぶ事が必要。
(コメント例)
ライチ、オレンジの皮の砂糖漬け、セイロン紅茶、バニラ、スイカズラ、
ベルガモット、カモミーエル 、シナモン、コリアンダーシード、赤いバラ、
セイロン紅茶、クミンシード
●Semillon
ボルドーのソーテルヌやグラーヴにおける主要品種。オーストラリアでも主要な品種である。
滑らかなヴォリュームを構成し、セミヨンは貴腐菌が付きやすく、上質なソーテルヌができる。
また貴腐からできるグルコン酸の影響で蜜のような滑らかで複雑な香りを呈する。
果実風味と酸味に乏しいので、他の品種と組み合わせる事によりヴォリューム感を発揮する。
(コメント例)
青リンゴ、ラノリン香、柑橘系、青草、ハーブ、レモンピール、洋梨
●Viognier
芳香性が強くわかりやすく、明確な個性が人気となり、最近では原産地である北ローヌ以外でも
多く植えられている。
しかし劣ったテロワールや安価な造りでは、下品な香りになりやすい。
例として、コンドリューでは熟した高級な白桃のニュアンスであるが、南仏のVDPでは白桃の
缶詰めのようだし、それ以外ではキュウリっぽい青さが感じられる。
(コメント例)
アンズ、グレープフルーツの皮の砂糖漬け、洋ナシの缶詰め、オレンジの皮の砂糖
漬け、白桃のコンポート、きんもくせい、ジャスミン、白いバラ、バニラ、
ショウガの砂糖漬け、ホワイトチョコ、ムスク
●Chenin Blanc
ロワール、カリフォルニアにおける主要品種。辛口から甘口まで、時には貴腐ワインもできる、
多様性に富んだ品種。
基本的には酸味が豊かであるが、日照量の得られない年は強靭な酸味を持ち、好天に恵まれた
年にはアカシヤの蜜やマルメロの実を思わせるアロマを持つ。
(コメント例)
レモン、青リンゴ、アプリコット、カリン、白い花、バターボール、ハチミツ、
オレンジの皮の砂糖付け
★★★ 香りの表現のポイント
<白ワイン>
1.香りに豊かさがあるのか?
2.香りに上品さ、爽やかさなどがあるか?
3.濃縮感があるか?
4.フルーティーさがあるか?
5.具体的にどんなフルーツの香りがあるか?
青りんご、柑橘系、洋ナシなどは正解率が高い定番
品種によってはライチ、パイナップル
6.具体的にどんな花の香りがあるのか?
白い花、菩提樹、リンゴの花
7.ハーブの香りはほとんどのワインに多少なりとも感じられる定番のコメント
8.ミネラル香もほとんどの白ワインに感じられる定番のコメント
白墨、チョーク、石灰質のニュアンスなど
9.森林の香りも植物系の爽やかさと土のニュアンスを含んだ総合的な香りで定番ある
10.その他樽熟成からバニラ様の香りがあれば、樽のニュアンスが感じられるになる
★★★ 香りのヴォキャブラリーを増やす方法
1.まず表現単語の意味、見た事も聞いた事も無いような果実、花、ハーブなどの姿、形、色などを
理解する
2.次に表現用語の意味を理解したら具体的に鼻で香りを嗅ぎ脳に覚えさせる
3.それには春夏秋冬の花が多く植えられている公園に行って花の名前と香りを嗅ぎそれを覚える
4.花を含んだ植物に興味を持つ事
5.ルーツの名前と香りを一致させる訓練をする
6.たまには山、森林に出かけ春夏秋冬の季節の移り変わりを体感する
山は植物系、土の香りの宝庫であると思います。湿った土の香り、腐葉土、きのこ、シダの葉、
スーボアなど
7.スパイス系はスパイスを多く販売している店でワインに関係するスパイスを購入しその繊細な
違いを覚える
8.ワイン雑誌に出てくるような自分が初めて聞くような表現をメモしておいて、増やしていく
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