今日のレコール・デュ・ヴァン
06月16日 02時19分  担当/創立者 東京校校長 梅田悦生

クリュッグのお話し



《写真》KRUG社が所有する、クロ・デュ・メニルの畑です。Closクロとは、石垣で囲まれたという意味を持ちます。手前にクロが見えますね。左の奥に見える建物はKRUG社の醸造所です。

■クリュッグのお話し
 ライン川に面する美しい街マインツで、食料品店を営む家に生まれたヨハン・ヨーゼフ・クリュッグは、1830年、志を抱いてフランスに移り住みます。そこで、シャンパーニュ・ビジネスに身を投じた彼は、1843年ランスにシャンパーニュ会社を設立しました。40代はじめのときです。以来、頑なまでに家族経営を貫き、高品質のシャンパーニュを求めつづけています。
五代目である、アンリ・クリュッグは1962年、25歳のときにクリュッグを受け継ぎシャンパーニュ造りに没頭します。後に彼は、その名も高い《クリュッグ  クロ・デュ・メニル》を世に出しました。
クリュッグの特徴は、なんといってもその味わいにあります。そして、そこにはいつくかの鍵があります。
そのひとつ、一次醗酵は、205リットルのオークの小樽で行われますが、この樽による醗酵というこだわりがクリュッグの特徴であるとよくいわれます。樽は、新しい樽は用いず、三年目の樽から使用されます。新樽を用いない理由は、新しい樽から出る木の香りやタンニンを、シャンパーニュの中に残したくないからとのことです。
小樽のメンテナンスには、クリュッグ専門の樽職人がおり、彼らの努力で、樽は実に30年から40年も使用できるのです。通常、樽の耐用年限は10年といわれますから、たいしたものですね。
品質の元になるぶどうについては、現在、クリュッグはモンターニュ・ド・ランス地区のアンボネ、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のアイ、コート・デ・ブラン地区のメニル・シュール・オジェに特級畑を保有していますが、自社畑の総面積は33ヘクタールです。
シャンパーニュの味わいを決めるアッサンブラージュ(ブレンド)には、クリュッグ グランド・キュヴェの場合ですと6年から10年にわたる、収穫年の異なった実に50種類以上のワインが使われます。このような、複数年のワインを混ぜたシャンパーニュは、通常ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュと呼ばれます。しかし、クリュッグではノン・ヴィンテージとはいわないで、マルチ・ヴィンテージ・シャンパーニュと名乗っているところが面白いですね。
クリュッグの地下のカーヴには、300万本以上のワインが眠っていますが、驚くのは、その熟成期間の長さです。年号の入らないシャンパーニュでも、(法的には15か月の熟成でよいのですが)6年もの長期にわたり熟成させるところに、このメーカーの底力があります。
ちなみに、動瓶職人は年間を通して連日35,000本の瓶を動かしているそうです。
クリュッグは「クリュギスト」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しています。

■クリュッグ  クロ・デュ・メニル Clos du Mesnil 
 1本7万円を超す超高級シャンパーニュとなると、そう誰の口にでも入るものではありません。
ですが、クリュッグを語るとき、このシャンパーニュを素通りすることはできません。
コート・デ・ブラン地区のメニル・シュール・オジェ村には、周囲が壁(クロ)で囲まれた畑があります。栽培面積は約1.8ヘクタールといいますから、ロマネ・コンティと同じくらいの大きさですね。年間12,000本程度しか造れないのですから、自然に価格も高くなります。
クロ・デュ・メニルの畑は、1698年に外壁で囲まれた形として完成し、今日に至っています。1750年までは、ベネディクト修道院の所有地だったそうです。
1971年、クリュッグ社はこの畑を買い取りますが、当時のぶどうの樹は、樹齢が高すぎました。
そこで、クリュッグでは直ちに植え替え作業に入ります。この作業は小さな区画ごとに念入りに行われた、と記載されています。クロ・デュ・メニルに関しては、クリュッグはクリュッグ  グランド・キュヴェとは異なり、すなわち「多くの畑からとれたワインの徹底したブレンド」では全くなく、単一畑の単一種(シャルドネ)のみの製品を完成させます。
植え替えと醸造・熟成の努力の成果がみられたのは、8年後の1979年です。クリュッグ クロ・デュ・メニルのファースト・リリースが誕生したのはまさにその時でした。しかし、この時にはまだ世界は、クリュッグのこの奇跡的なシャンパーニュのことを知りません。クリュッグが沈黙を守ったまま10年が過ぎます。
1990年、当時の当主であったアンリ・クリュッグは《クリュッグ クロ・デュ・メニル》のリリースを発表しました。歴史に残るニュースでした。ふくよかにして繊細な熟成香に、シャルドネがメニルで生まれ育ったことを物語る蜂蜜の香りが加わった、やわらかいクリーミーな泡立ちと、完璧なバランスのよさが見事なシャンパーニュでした。ブレンドは、もちろんシャルドネ100%です。

■クリュッグ クロ・ダンボネClos dʹAmbonnay 1995
 クロ・デュ・メニルの発表から20年以上を経たとき、現当主である六代目のオリヴィエ・クリュッグは新しいプレステージ・シャンパーニュをリリースしました。
それが話題のクリュッグ クロ・ダンボネ 1995です。1本が50万円を超します(・・・・・)。
ダンボネとはモンターニュ・ド・ランスにあるアンボネ畑から採れたぶどうから造られたワインであることを示しています。そうなのです、これはピノ・ノワール100%ですからブラン・ド・ノワールです。クロと付いていますから、この畑も石垣で囲まれています。0.685haという小さな畑で、その面積はクロ・デュ・メニルの3分の1しかありません。驚くのは、その熟成期間でして、なんと12年とのことです。

■クリュッグ ミレジム 1998
クロ・デュ・メニル畑の300年を記念する年に生まれました。とても、貴重なヴィンテージですね。1998年は穏やかな春の後、8月は極めて暑くなりました。そこまではよかったのですが、なんと9月初旬には大雨に見舞われてしまいました。ですが、雨の前の好天候がぶどうの果実に力を与えていました。ぶどうは雨に耐えたのです。収穫は、恵まれた快晴の日が続いた9月下旬に行われました。収穫が終わったその時点で、1998年物の成功は確実なものとなりました。
輝きのある淡い黄金色に近い外観。力強さと生き生きとした鋭い切れ味があり、それが豊かでしなやかな味わいに変わっていきます。柑橘系の果実、グレープフルーツ、マンゴー、アプリコットの砂糖漬けなどのアロマに、軽く焼いたアーモンドとカラメルで作るお菓子の香りが素敵です。口に含むと、なんときめ細やかなクリーミーな泡立ちであることでしょう。
そして・・・・、そのあとはマリアージュのときに、あなた自身でその素晴らしを感じてください。

☆ワインの楽しみを知りたい方へ レコール・デュ・ヴァン事務局

プレステージ講座・スプリングクラスの最終回で、クリュッグ・ミレジム98が出ます。
今回は、「六本木 洛 ほととぎす」 でシャンパーニュと和食のマリアージュ!
料亭で味わう、和と洋のアリアージュを堪能して頂きます。お楽しみに♪

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【創立者 東京校校長】梅田
【レコール・デュ・ヴァン創立者 東京校校長】
梅田悦生
Umeda Yoshio
プロフィール
  • 医師 医学博士
  • レコール・デュ・ヴァン創立者
  • ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ騎士団
  • 日本抗加齢医学会認定専門医
メッセージ
ワインは生活に潤いを与えてくれる、とても素敵なアイテムです。1本のワインが食事をより美味しくし、家族や友人との会話をより弾んだものにしてくれます。ワインの世界はとても奥深いものです。先ずは、気負わずに楽しく学び始めましょう。
 
 
 
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