今日のレコール・デュ・ヴァン

コラム

12月13日 10時27分  担当/講師 塩入早苗

『黄昏のアントワープ』 

 “ワイン”って…“文化”って…本当に壮大。そんなことをしみじみと感じさせてくれた“人”いました。
たまたま出逢った本の余韻を、今かみしめているところです。今日はそんなお話しを。
先週です。林秀樹氏について書かれるある本があると聞き、その本を取り寄せ読んでみました。
辻仁成さん著の“黄昏のアントワープ”  その中に『地下ワイン帝王、最後の門番』として林秀樹氏の事が出てきます。最初は正直な気持ちとしてスクールの先生のご紹介が出来れば良いかな・・そんな気持ちで読みはじめたのですが…。

・・・名だたるソムリエであろうとも四半世紀にわたって、フランス中、世界中から集められた五十万本ものワインが一斉に熟成していく様を、日なが一日、眺めて回った経験をもっている者などいない…話はここからスタートします。
…『ワインは呑んでしまったら、それで地球上から消えてしまう幻の芸術品…今、地上で生きている人々が最後のデギュスタトゥー(試飲者)…。僕たちはね、最高の熟成を達成したワインを呑むことのできる、最後の人類と言っても良い…』『同じワインなのに、寝かせてある場所によっても、もちろん保存状態によっても違うものが出来てしまう。同じ瓶に詰められていても、人間と一緒で1つ1つ違った顔を持っているんだ…(中略)どのような人生を越えてきたのかわからないのに、開けたワインが最高のものだったとしたら、ね、感動しない?』(本文中の文章)

初めて林秀樹氏にお会いしたのが一昨年。その大らかで驕りや飾り気のない人柄、でも何か深いところに芯を持った空気を感じたこと、『早苗ちゃん、その(林)先生っていうのやめてよ。』と笑いながら言われた事を覚えています。
ソムリエの話題が色々とあがるのに、私はこの時まで、これほどに多くのワインの傍にいて熟成を見つめているパリ、トゥールダルジャンのCavisteが日本人であることすら知りませんでした。
言葉に出すと薄っぺらくなりそうなので、これ以上は書けないのですが、読み終えた際、先生のご紹介とかそんな気持ちは全く消えていました。笑
もし、(そんな人もいるんだぁ。。。)と思われた方がいらしたら、一度、林秀樹氏にふれて、林先生が持ってきて下さる熟成ワインを呑んでみて下さいね。この本はその後読むと良いかもしれません…。
あなたはどうお感じになられたのか?そんなお話を、今度は!私に聞かせて頂けたらと思います。



【講師】塩入
【講師】
塩入早苗
Shioiri Sanae
プロフィール
  • 日本ソムリエ協会認定 シニアソムリエ
  • レコール・デュ・ヴァン 専任講師
  • NPO法人 チーズプロフェッショナル協会認定 チーズプロフェッショナル
メッセージ
皆様はワインの勉強にどのようなイメージを持たれますか?「難しそう」「大変そう」…。でも大丈夫。
始めてみるときっと“楽しみ”に変わりますから。一緒に素敵な“時”を過ごしましょう。
 
 
 
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